さようならはいつも/mac
 
さようならはいつも自分に向けて言っている

別れてもしばらくその人は私の心の中に住む
最初はどーんと真ん中にコタツでみかんを食べながら
サーフィンの雑誌なんか見てたりする
みかんの汁が目に入って痛がったりしながら

そのうち時々出かけているのか
姿を見ない日があって

実は押入れに入ってるのを見つけたり
あるいは座布団の下にいたり

でもまたの次の恋をする頃には
心の中にはその人は居なくて
みかんの皮がシオシオになっているだけ

モウソノヒトハモドラナイ

そうしたらやっと、「さようなら」と
古い心の中にお別れを言うのだ

そうしてキレイに片付けた
真っサラみたいな心の中に
次の人を住まわせる


でもね、そうね、
例えば海に行って
変なロゴのサーフボードを見かけたら
心の中にみかんの香りがほんの少しだけ
することがあるのだけど




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