hate/美咲 華菜子
雲一つない真っ青な空の下で僕が激しい嘔吐と戦っていたあの日
どうして誰も助けてくれなかったのかなんて愚問
みんな自分が大事で 自分の世界を守りたくて
それには僕の存在に構ってる余裕なんかなかったわけで
鋭利な刃物で写真を傷つけることだけが僕の自慰行為
どうせなら首を絞めて殺してくれれば良かったのに
あの時 死んでいれば 今の僕はいなかったのに
現実逃避することでしか 命を救えない そんな僕です
あの日 フェンスを飛び越えて 飛び降りてしまえば良かった
だけどそれが怖かったから 僕は 僕の世界を守りたくて
彼女を壊そうとしたのだけれど 臆病者だったからできなくて
余計に僕は 何かに取り付かれたように 狂っていました
彼女が綺麗に装飾してきた道を 泥で塗りつぶすだけではなく
これから先彼女の歩く道を 途切れさせてしまいたいと
僕は常日頃に思っていたのです
僕が頭の中で何回も殺した 彼女は 今でも生きていて
僕を苦しめるのです
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