ホームにて/松本 涼
 


前を横切る人は
高らかに今宵を謳う


横で凭れる人は
とりとめのない今を送信する


見限るよりも密やかに
夜は悲鳴を上げて
人々に目を凝らす



ああそして
どうしてこの身体が
かりそめだと
信じられないのだろう


戻る   Point(3)