影への追悼/奥津 強
寒く その 室内に 貴方達がいて
私は 影に乗り込む
小さな 鬱に 花を 渡して
春を 一人が 抱き上げる
私の 砂に影があって
貴方達は 小さく 決めていく
恐れる
恐れてしまえ
私の不幸を 譲りあげる
それらを 描き 戒律は泣き始める
子のように 私に一人いる
母を追う影から
しかし もう 彼らは 去っていく
そら 春は 地に落ちた
花は あからさまに 咲いていくが
賢いという 言葉を 聞いた事がない
もう 黒いものを 見られぬ
何も 視野に 入らぬ
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