がれきの工作 ?/《81》柴田望
 
は、学校祭が終わった後の教室
 これは、枯れた留守の蜂の巣
 これは、大勢の花火の後のバケツ
 汚れた灰皿みたいだ
 灰皿は磨きあげられ
 バケツの水はどぶに流れ
 枯れた蜂の巣はぼろぼろになって土壌を肥やし
 生徒たちはいつもの授業へ戻るが
 かれらはもう、あの味を一度知ってしまったオトナだ
 ぜんぶ壊れてる世界では
 さらに壊したって罪にはならない
 そうか、がれきとは時代のありさまではなく
 心のありかたなのか
 クニやキギョウ、オミセを目の敵にする
 孤独なクレイマァの心みたいに
 違法性を摘発されるクニやキギョウ、オミセの内部にも
 がれきがはびこっている
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