同心円の軌跡を辿り/北星三天
 





顔の無い意識の核に
偏心の円を回してみる

価値の無い意味を探し
理屈の無い意味を持つ



時空の皿に
感情の筆をひたりと落とす


意味の無い価値に触れ
意味の無い理屈に戯れ



景色は印象の力を
観念の釘で縛る

逆らう左手を右手が
縛るように

この
ありふれた奇跡の皿に
感情の筆をひたりと落とす




いくつもの

いくつもの


そう

いくつもの

必然の面と偶然の面は
そのものの顔を隠し

弧を描いて違う角度から覗かれる




だから僕は
僕自身を試してみたくなる


だから僕は

いつも

顔の無い意識の核に
偏心の円を回してみる

そして又ひたりと
筆を落とす




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