二人の時間/前澤 薫
 
君が作ってくれた
マーボードーフと
ごはん。
どちらもふっくらしていてね。

口の中で立体的にからみあう。

辛くてね。
でもごはんの粒も
舌に感じるよ。

今日も終わったね。
何だか二人して
ほつんと座って
念仏を唱えるみたいに
食べている。

黄色く光った
白いテーブルクロスに
大きな顔の影が映る。

そうだね。
何か話さなきゃ。

「あの」
かすかな声

「うん」
低く響く。

さてどんな話が
花開くんだろう。

時は鈍くひっそり流れて。
きっとずっと続くんだろうな。
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