もとめたのは青と白/鈴木まみどり
 
神社の駐車場に続く古い道で、ふと、
つぶれた中華料理屋はどれくらいあるだろう、と考える
仰ぐと、まだ健全な青と白に月が出ていて、ふと、
ドイツやイタリアの空を覚えておけばよかった、と考える

公務員になるガイドと現代詩手帖、
どちらを買うかは結構な難問だ
結局、手持ちのお金では現代詩手帖は買えず、
ガイドのほうを丁寧に袋へいれてもらった

白かった雲が薄桃に染まっていく
西の空は、引き裂かれそうな夕暮れ
世界は、あちらへまわっているようだ


青を青と、
白を白とよべるならば、
授かったものは、お返しします


結局、私のモチーフは変わらない
あの移りゆく色を飽くことなく言葉にする
目から脳へ、染みいる経路が同じなら、いつか近づけるのではないかと

戻る   Point(7)