フェアウェル/ホロウ・シカエルボク
てない思惑が歴史に近い数の砂にろくな乱れもなく飲み込まれて消える
消失
荼毘に付されることすらない今日の死体
見送ることすら出来ないままの死体の思念がブランケットの上で石柱のように固まる、ふうう、ふうう
肺がうまく空気を吸い込むことが出来ない
潰されたままになってしまってどうにも膨らまない
それは幾億もの死の重みなのだろう
僕は取り返しのつかないものをたくさん殺してきたのだ、きっと
(だけど誰が気にとめるまでもなく風に踊り始めてしまう)
見送られたいのだ、おそらくは
惜しまれて見送られたいのだ
2009年の冬のようにではなく
通いあって愛されたいくつかの関係のもとに
僕の為に歌ってください
僕の為に歌ってください
僕の存在が報われてゆくのを
乳母のように見つめてください
悲しんで、それから
(あのひとはあれでよかったのだ)
と
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