フェアウェル/ホロウ・シカエルボク
 





どんなかけらもここには残らない、あなたの涙が乾いた地面にさらさらと染み込んでも
誰が気にとめる間も無く風に踊り始めてしまう

あなたは自分が無力だと知る、思惑など所詮は身体を伴わないひとり言のようなものなのだと
濡れたことなど気づいてもいない砂が
わずかに地形を変えるのを見ている

その昔、僕らは純粋だったと言う、だけどそれは嘘で
それはただ無知であったというだけのことなのだ、知らなかったが故に
何も
見ないで居られた
僕らは純粋ではない、僕らは少しも純粋ではないけれども
少なくともそこに向かおうとする試みの確かさを知っている、たかが
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