夕暮れの電車の、スピードで/
鈴木まみどり
ほっといてくれ
もう
悔やむことはなにもないのだから
汚れたガラス窓に
映るこの街をなぞって
私は
ラヴェンダーの空に泣く
そうすれば、もう
明日を謀ることさえ困難だ
さわるな
ほっといてくれ
今となっては、もう
無関係に深くなるこの空だけが
私にしみいることを
ゆるされる
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