生きていることの意味を問いなが
ら、生きそして死んでゆく。それ
が解らないまま、ある朝のベッド
のなかで、遠くで船出する警笛を
きく夜に。
失われているという幻想の詐術と、
その向こうに存在する確かに失わ
れてあるもの。隔たりの意味を時
にひとは愛と呼びさえするだろう。
つねにすでに失われたものとして
のみ存在する或るものと、思慕。
どんな悲劇的な関係の奴隷にもな
ってはいけない。失われた意味へ
の隔たりは最後の根拠にしてわた
したちの目的である。そこに存す
る自由の意義を守り通す戦い。わ
たしたちには二重の戦いが課され
ている。
詩の場所はわたしたちの最後の砦
にして目的の国である。