light the light/あおば
からは
疑心が生じる
隈無く明るくすると
炭素消費量が嵩むと
横槍を入れられる
横槍は刺さると痛い
痛いどころか
出血多量で死んでしまう
横槍を携えた人たちが
一群となって市中を見回り
白熱電球を点けている者は居ないか
目を皿のようにして徘徊している
嫌な世の中だと思ってもう遅い
影も形も嫌いな人々が感性を鋭くして
横槍を携えて
群衆となって
市中を見回る
恐ろしい時代になった
白熱電球を愛好する者は
人でなしとして処刑される
流れる血で街路を明るく染めるのだと
群衆は歓喜の声で横槍を突き刺す
その
つつつ つつつ つつつ というかけ声の凶暴が
ちちち ちちち ちちち という爪先の後押しをして
ヘビメタの世界を謳歌する
洋弓を持ち出す者さえ現れて
物陰から狙い撃ちする
百発百中
ひゅーという音に気付いたときは
倒される一瞬で
気付いたときは遅すぎる
阿鼻叫喚の巷
光あるところに影が生じ
低炭素世界は黒影を嫌い
薄墨色の屍体を曝す
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