オルゴール/るか
{引用=
ぼくたちの鳥は、預けられたまま
誰もいない部屋の
つめたい鳥かごのなかで
ひくい声でうたっている
透明なガラス瓶と花
傾いたテーブルは沈黙で伴奏し
薄いカーテンから秋の日が
名残惜しげな温もりを
壁面や 床に伝えている
( ここにはない ここにはない )
響いているのは
ぼくたちが
いつの間にか忘れ去った
天使の童謡のリフレイン
あの なにげない殺戮の
あいだじゅう ぼくたちの鳥は
歌いつづけていた
囁きつづけて
いた
言葉を奪われた、ぼくたちは
まだ話せない子どものように
林檎の涙を零すばかりで
プラスチ
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