研究「緑川びの」(2)/生田 稔
アルである。病院の雰囲気が全編に漂い、患者であることの虚しさというか無意味さでもよいが、そんなものがある。私は電気ショック療法を何度も受けたことがあるが、この詩を読みながらそれを思い出した。看護婦や看護師でなく、看護士であること、では外科か精神科か。
こうして合計6篇の詩を評したが、なぜか緑川氏に尊敬の念さえ覚える。よく考えると、彼女の詩は社会の暗部を正義感で持ってえぐる外科医のようである。まだ未読の詩が数百もある期待と楽しさがある。
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