螺旋のひと/恋月 ぴの
いを翻させた
ひとりぼっちの寂しさが語らせる埒も無い身の上話なのか
それ故に終わりの無い物語のはじまりでもあったのか
行き場の無い欲望を吐き出すためだけにある粗末なベッドの上で
シャワーを浴びるのさえもどかしく互いの身体を貪りあう
陰核を執拗に舐るあのひとの舌先に耐えながら
私の唾液で濡れそぼったペニスを喉の奥まで咥え込み
両肘で上体を支えながら快楽を与え続けた
突き上げる腰付きの無慈悲さとおぼこ女のようなか弱い悲鳴
生まれて初めて喉の奥で受け止めた
淫らと滴る生温かい液体を薬指で拭いながら
惚れた男の子を宿すひとりの女の幸せを切に願った
久しぶりに臙脂色のストールを見かける
どちらから
そして、どちらまで
そう尋ねたところで果たして彼女は答えてくれるだろうか
春の陽気に散る花の美しさ想い巡らし
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