存在証明/ゆうと
 


飛んでく
飛んでいくのは
ぼくではなくて
ビニール袋で
ビニール袋の
ぼくである



風が強いな
それでも飛ばされない
ぼくは強いのか
、いや

ぼくは弱いのだ
どうしてかそれだけは
ぼくは充分に
知っている気がしている




こんなのは簡単に
ゴミ箱に捨てられるような
紙くずだ
それでもぼくは
握り締めている
それに、
意味はないのだ
これっぽっちも
意味などないのだ
だけどぼくはそれに
価値があるような気がしている
値段やレッテルなんかじゃない
定規や計量スプーンなんかでは
到底はかれそうもない


{引用
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