二月の炎/吉岡ペペロ
 
二月の炎は

情念の

雨に濡れて

そこだけ白くさせていた

テールランプが

ひとを待つ

前かがみの傘が

きえてゆく

アスファルトから

春の香りがした

さよならみたいな

二月の炎は

情念の

雨に濡れて

そこだけ白くさせていた
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