呆日/ヨルノテガム
ノさんという物書きの先生のお宅知りませんか
って呼び止められたんです ああ、それならよく知ってます
よく知ってます 坂を上がって門灯がいちばん明るく光っている
所ですよ、ほら、と指差して
ありがとう どういたしまして いやいや御苦労様です なんて
すれ違ったんですけど十メートルぐらい行ったところで
アレ何か 変テコなコト ダッタなとようやく後ろが気になり
出したんです というのも暗がりに薄茶模様の入った白猫が
二匹縦並びにこちらを向いて話しかけてきたからです!
それも全く色形が同じであまりに自然な感じだったので
早く家に帰ろうとばかり急いでいたし・・・・はは―ん、綾瀬クン
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