88鍵のためのエチュード/時の枝/海里
 
所記と能記をはさみでしょきしょき
もしも切り分けられたなら

所記は正体なくすだろうか
能記はのうのうのさばるか

ことばたちの色つやは 
鈍器の鈍色に似ていて
混色の四則とは違う

詞と辞であろうと
詩と字であろうと
数論における「1」のようには
「単語」の定義さえできない

できないままでいるのに
クワインのワインが醸される
空の舞台裏
陳述的詩意と非陳述的詩意の陽炎
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