nonessential/山中 烏流
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、
なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない
まるで
雲を思わせる息は
何層にも連なり、そして
空/水蒸/気
震える
午後の、話
空き缶が転がされた
それは
始まりを告げている
私の胸の中で
小さく
閑古鳥が鳴いた
何も、ないのではなく
むしろ
満ち足りているのに
全裸、
指先から
戦慄が走るような気配
裸足の裏側から
冷たさが滲む
夕暮れはいつまでも、
鈍く
あ、
ほら、
こんなにも
人のような色をしていて
私を照らすものだから
いつまでも帰れない
いつまでも、帰れない。
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