円錐曲線/Giton
(時空円錐)
虚空で支えを喪ったじょうごのように、
尖った先どうしを付けあって、
危なかしく身を支えているこの世界:
君とぼくの航跡は、離心率にあやつられ、
交点の夢をみながらも、一足ごとに微分され、
永劫の孤独へと向かう二次元曲線:
(楕円)
あるときは、ゼロのまわりを経めぐって、
決して遠くへは脱け出せぬ時空の虜、
きみの軌道はエレクトロンの雲のようで、
ぼくの存在確率はいつも稀薄だ。
(放物線)
あるときは、出会った瞬間ふたてに別れ、
決して二度と出会いはしない無限遠へのひとり旅、
平行なのか?平行じゃない!漸近するか?漸近しない!
離れて行くか?離れ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)