代償/北星三天
 






上から下へ
振り下ろした腕が
幾つもの振動が
うねりを混ぜた
振幅と余韻を残した



真っ黒な絵に目が冴える



二面を背負って
君と僕と貴方と私と
彼と彼女が
わかったつもりで
夜空に指で線を引く




この陳腐な頭で
繰り返し点滅する
意識の星を撫でている


無限のグラデーションを描く
雨の降る通り道に生きている

灯りをつけて
眼鏡に黒い板を貼りつけている


それでも
この陳腐な頭を
振り回しながら
つきまとう悲哀の雫を
振り払おうとしてる



真っ黒な絵に目が冴える



一筆の光の点を
つけたいが為に






  代償など



戻る   Point(0)