偽善じゃない、真実/緋月 衣瑠香
 
世界へ置いて行ってしまう
他人だから

ちがう
ちがう、ちがう、ちがう、ちがう、ちがう
それもちょっとちがう
真実じゃない

私は君をあっちの世界へ連れて行きたかった
君を救いたかった
光の眩しさを教えてあげたかった

でも私は知ってしまった
君の心に住みつく闇の深さを
私にはその闇をかき消すほどの光を持っていないことを
お互いにお互いのことを知らないことを
信じられないことを

本当の本当は
どこか似ている君の心と繋がりたかっただけだった


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