婦人の庭 /アングラ少女
 
群盗の攫った8つのピースのうち いま閉じられた婦人の眼にいちばんやさしい 潔癖な節々にも満ちあふれ花萌えさかる庭 黒猫の伸びやかな足つき 時間の優雅であり ためらわぬ筆致の熱情ほとばしる 像 ただ美しい太陽の午睡とともに色彩の徐々に奪われていくことの運命づけられ あるいは死相の筆触のうちに秩序立つ 故人に内密の闇の切断面を凝視しながら 画家は咲乱れた薔薇の花圃めぐる野生を放たれた存在の悲哀に嗤い
薄紫・白皙・翡翠 せかせか滋養を彩色してまわって 嘯いて をりふし黙視する幼児性を愛で ついに見開かれない眼で せつない愛撫をつづける婦人をなぐさめる 決定を催促しない夢の抱擁 朦朧と浮遊する艶やかな帝
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