赤い車/木屋 亞万
 
にどれだけの意味があるのだと問うています
空は一面の曇り空です、雲は雲であることをやめたように平面です
車は浮ついています、空は飛びません
雲が押さえつけているのです、大地が吸いつけているのです
赤い車に吸い付きたくなるのは、なぜでしょうか
誰にもわかりません

言葉は風景を紡ぎます、人を描きます、心を映します
この詩は隠喩のようです
この詩に意味はありません
何の伝達事項もありません
あなたが読むかもしれません
誰も読まないかもしれません
あなたは忘れるかもしれません
誰も覚えていないかもしれません
でも確かにここに一編の詩があります

赤い車が走っています、等間隔に青い信号機があります、黄色い電灯があります、
空は一面灰色です、暗闇は終わりつつあります

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