トレイン/コンポジション/nm6
トレイン。突き抜けるぽっかりは、穴だ。くすぐったかゆいような、目の奥と喉の先と胸の隙間に。目をつよくつぶれど、車窓はちらほらランダムにフラッシュする。朝。ほんとうのまぶたは透明で、ぼくらは中継地点を間に受けてしまった。
トレイン。ぼくらの注意は、閉まるドアだ。そうして乗り換えたアナログ車輪、漕ぎながら目をつよく閉じれど、ぼくはツーンと鼻に刺すガラスの空気のように吸い込まれるよ。夜。烏龍茶のような月のまわりに、願わくば忘れて欲しいのです。
すっかりなのは、真夜中の信号機とソフトな空に、空気。
ミッドナイト車道、自動車パレード。
そしてピクシーはやってこない。
トレイン。それはそうと今日も突き抜ける。くすぐったかゆいような、目の奥と喉の先と胸の隙間に。目をつぶれど手で覆えど、車窓はランダムにフラッシュする。キラ。朝、夜、また朝で、キラ。そう太陽に左右されるぼくらの、ほんとうのまぶたは透明だ。さあ逆走、逆走トレイン。中継地点を間に受けて人間みたいなぼくらは、永遠にわからないところへ逆走トレイン。理解なんて、それ、雲だよ。
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