新国富論(1)/生田 稔
 
新国富論(1)

 国富論という書物はあまりも有名である。しかし現代においてこの国富論なるものを読んだ人はあまりいないかもしれない。岩波文庫で全6冊のこの書物を20年くらい前一年がかりで読んだ。面白かった。今では「諸国民の富」という題でこの本は知られている。アダムス・ミスという人物の著で、その殆どは、書斎の産物であると、巻末の解説には述べてあった。この新国富論もいわば書斎の産物である。長い間世界の平和と繁栄を願うのあまり、考察をめぐらし想を練っていたが、今日午後6時にわかに想を得てかくしてキーボードに立ち向かったのである。
 私は早速ではあるが、問題をアジアの平和ということから入ってゆきたい
[次のページ]
戻る   Point(0)