私にとっての詩人に出会うということ/ヤオハチ
 
った。

人の優しさの中に紛れて生きてしまえるということだった。

私はトカゲのしっぽのように元気であった。

そんな時、詩人に出会った。詩人は、当たり前のような顔をして現れた。

詩人と出会うということは、自分の詩が好かれるということではない。

そんなもん 『ある』 に決まってるでしょ?何のこと?と言われること。

つまり、詩人に出会うということは、詩が 『あり』 詩人が 『いた』 ということに他ならなかった。

それは、これから書くものも 『ある』 のだということ。

それは、書かないといけないのだということだった。

私にとっての詩人との出会いはそういうことだった。

そして、

今では当たり前になってしまった詩人の存在と出会えなかった可能性については

これ以後、極力考えないことにしたのだった。


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