夜と道/木立 悟
あなたが
行きましょう
と言うときの
頬の上の雪
突然の約束を
忘れても 忘れなくても
あなたは七日
離れてしまう
はじめから許しは無く
自分だけのあたたかさの
離れられない白のなか
離れている
布のように紙のように
思うままに と言うときの
あなた 腕の輪のなかの
無のように
もう決して表わさないと
誓った言葉を表わした
ひとふさの罰
ひとふさの背
どこへ着くのかわからない
曲がり角の暗がりを
くりかえし埋めるむらさきと赤
くりかえしあなたからおしよせる
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