INNERGARDEN/本木はじめ
夕暮れに花を選べばひまわりが遠いどこかでうなだれている
草むらの茂みに隠れ咲いた花ひとりの兵士 目は閉じたまま
ゆっくりと開いてゆくの花びらがだからわたしは滅んでゆくの
枯れすすき分け入りぼくら歩いたね白鷺埋めた雨の日の夜
枯れ果てた桜の下に寝転んで嫌いなあなたを花しましょう
時計草音なく刻み花開くおわるはじまりはじまるおわり
黒百合に語りかければいつまでも辿り着けない次のゆりかご
どうしてもぬぐいきれない花粉ですいっそこのまま咲いてみますね
旋回し種子をついばむ鳥たちが夜へ飛び立つ開花のように
どこまでも広がる菜の花畑にて青空見上げ流星を待つ
背中から駆け出してゆく花びらよわたしを返せわたしを還せ
戻る 編 削 Point(11)