もうすぐ春が来る/
蒼木りん
四十路をすぎたわたしに
「きれいね」
と言われることが
たびたびあって
とくに意識していないけれど
そう見えるのであれば
思い当たる節は
かすかな恋心を隠していることか
想うに成らない恋の夢
叶わずともそれでも
いつかの夢を見ていられること
好きな自分でいられること
誰かを想えることの幸せ
それらをもたらしてくれた
その人の存在と笑顔に
その奇跡に感謝
もうすぐ春が来る
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