するする/因子
 
もうどれくらい死んで生まれたかなんてことはもはやどうでもよかった
つめの表面がするするしていて私はそれをむさぼるようにさわっていた

たぶん朝、昇りきった陽の光の中で目を覚ませば
つめの間にぎっしり詰まっている
私のかす を
ベッドを出る前に掻き出さねばならぬ。
目が覚めたら。
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