百鬼夜行詩 <10>/nonya
絡新婦 (じょろうぐも)
ちょっと小首をかしげながらの上目遣い
さりげなく腕を組みながらのEカップ
たっそれだけで男の口元と財布は
情けないくらい緩んでくれるの
でも本当に欲しいのは男の カ・ラ・ダ
イケメンやマッチョもよりどりみどりだけど
オジサンはたまに胸焼けするから 嫌だなぁ
般若
わたしを捨てたあなたへの恨みは
移ろう季節の中の埋み火となり
わたしの魂をいつまでも焦がし続けた
やがて額を突き破って口惜しさは角となり
夜毎食い縛りすぎた嗚咽は牙となった
今宵 わたしでないわたしが
あなたを喰らいに行ってしまうかもしれない
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