冬の日に贈る即興詩/山中 烏流
遠ざかる木枯らしに
鉛筆が舞っている
私が前髪を切った午後
小さな窓辺の話
反射した日差しが
溜まりになって、揺れる
それは、限りなく白い/暖かい
まるでまっさらな
例えるなら、夢のようだ
ざわり、
逆立つ岸辺
瞬きの度に訪れる赤が
何故だか、懐かしい
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子猫のような素振り
構われることに慣れる度、
その当たり前を知る
知ることは
必ずしも、と言ったことが
確かにあった筈で
私に向けられているそれは
きれいで、美しく、こざっぱりとした
上辺という嘘だった
信じるものは毛布と枕
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