冬の日に贈る即興詩/山中 烏流
 



遠ざかる木枯らしに
鉛筆が舞っている
私が前髪を切った午後
小さな窓辺の話

反射した日差しが
溜まりになって、揺れる
それは、限りなく白い/暖かい
まるでまっさらな
例えるなら、夢のようだ


ざわり、
逆立つ岸辺
瞬きの度に訪れる赤が
何故だか、懐かしい



******



子猫のような素振り
構われることに慣れる度、
その当たり前を知る

知ることは
必ずしも、と言ったことが
確かにあった筈で
私に向けられているそれは
きれいで、美しく、こざっぱりとした
上辺という嘘だった


信じるものは毛布と枕

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