宵闇、半端な色味の懐かしい影と紛れ込んだゴブリンの鋭利な指先/ホロウ・シカエルボク
たところでおそらく変化することなどありはしない…明日もきっとこの場所でただ座しているのさ、迷子になったまま受け入れた汚れた子供のような眼をしてさ、ただただここに座しているんだ…ただただここに存在しているのみさ…毎日をかけがえのないものだなんて考えたことはない、その日その時はただ下水管に流れ落ちていく水のようなものだ、濁流の中でむざむざ流れ落ちることもないといくつかの出っ張りにしがみつこうとした足掻き、その出っ張りに残した剥げた爪や、指先の皮膚や肉片…そんなものが綴られているのがこれさ
薄暮に紛れ込んでやってきた鬼が俺の首筋に手をかける、お前、何を遊んで居やがるんだい…
最後の時はたぶん一瞬なんだって
俺にだって見当はついてるんだぜ
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