小さなお茶会/プル式
人のテーブルへ行く
僕は聞く
どちらをお切りいたしましょう
色々な人が迷いながら選ぶ
もちろん
お茶も合わせてお勧めをする
やわらかな味と
静かな時間
忙しい毎日に忘れてきた
小さな無くし物
気が向けば僕はその人の前に座って
その人の話に微笑む
他所の国から来た人は不思議そうな顔で僕を見る
クレイジーだという
そう
クレイジーだろ
だけどほら甘い
はさみ込まれたシロップのみたいなチープな甘さ
パンケーキだけじゃパサ付いてしまうから
生クリームみたいなクッション
気まぐれ
迷惑かもしれないけどあきらめなよ
パティシエの気まぐれなんだから
君の話が
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