名前の無い少女/光井 新
 
 明日の朝一のサプライズを準備していたら遅くなってしまった。その甲斐もあって机の中の仕込みはばっちりだ、驚く顔が目に浮かぶ。
 教室を出ると、職員室の方に先生達の気配がある位で、校内にはもう殆ど人が居ない事に気が付く。僕も急いで帰らなければと、廊下を駆け抜け、下駄箱を三段跳び。

 勢い良く外に飛び出した所で、空からノートが降ってきた。真っ黒なノートで、表紙には『デスノート』と書いてあった。恐る恐る中をチラッと見れば、そこにはクラスメート全員の名前がびっしりと敷き詰められていた、おそらく、このノートの持ち主であろう一人を除いて。
 ノートが降ってきた方向を見上げるとその先にある屋上で、案の
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