itai/木屋 亞万
 
村が息を吹き返すと
私は息苦しくなりますと
一人の少女が伝えた

議長である村長と
ひそひそと話をした後の
商店街のリーダーの視線と
校長先生の視線が交わる

君はもういいからと言われ
こんな村、ダムの底にでも沈んでしまえと
机に落書きをして会議室を去る

人目を避けるように
田んぼと旅館の間にある小屋に
忍び込んで思い切り泣いた

瞼の両脇が裂けるくらい強く目を閉じて
耳たぶの裏から涙が出そうな勢いで泣いた
首から、肩が、胸も、手まで震えて
auauと顎から声がこぼれた

死んだように硬直していると
車が2台ほど、突き出した尻の後ろを通った
腫れた
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