草むしり/
ローザ
今日 久々に土に触り
緑の小さき者どもの生を
存分に絶った
空は嘆きの色に濁り
風は嫌悪の温度で吹きつけ
湿度だけはむんむんと
汗を滴らせた
これはとんだ被害妄想だが。
そんなとき
仲間の鎌が
細長い柔肉を
誤って叩き切った
暴れ狂う
踊り狂う
千切れた身は
長短に別れ
短いほうの身は
動きを止めた
死 か
仲間の謝罪の言葉は
あまりの軽さに宙に立ち消え
これが例えば
今 舞い上がった小鳥であったなら
なんとも
苦く
にが
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(0)