夏の雨/落とし子
 
急に君が言う
疲れましたって
何にってとこはにごして
あるいは別に
言ってみただけの事かもしれない

昼過ぎの喫茶店が
ちょっと嫌な感じに混んできて
早々に帰りたくなったが
突然雨が降って来て

突然雨は降って来て
色んなものを
あっという間に変える
いらいらさせて
赤信号を渡ったりする

そんなものの一つに過ぎないよ
君の感情の変化なんて
そう言おうとしたけど
やめときました

人は環境に依存する
その依存が心底嫌になる時もあれば
ゆりかごみたいで心地いい時も
どっちとも決められないところが
また嫌でもあり
どうでもいい堂々巡りだ

またしても君が言う
夏の雨上がりの
むっとする感じが本当に好きだって
外はいつのまにか
その通りになっていて
僕は少し唐突に
君の手をとった


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