星と人/長元坊
 
風が吹き、雲がたなびく
ある晴れた冬の日に
幼いあなたは空を見上げ
こみあげた希望の逆流に胸を痛めた

彼岸の死せる未知の星に
知らず光を灯してしまったあなたは
四方自然の励ましを受け
双眸の先を闇に結んだのだ

覚えているだろうか
幼き日、彼岸に生まれた星はいまだ光止まず
いま胸に広がる雪原の極地に
星と血を分けた希望が眠っていることを
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