バカとエロス/キリギリ
詩もそうですか?」「これは違いますよね」と、有名な詩を
片手に詰め寄る記者に対してサッチモは丁寧に1人ずつ、首を縦か横に
振って応じた。しかし彼の首がどちらに振られようと、示す意味は同じだった。
2ヶ月後、サッチモの「もういいじゃないか」という意味の独語によって
全体的にそういうことになった。全員が納得した。どうでもいいことだ、
と思われたのかもしれない。
詩を書くことは恥ずかしいことである。が
多くの歌には歌詞がある。しかも詩作という恥ずかしい行為の結果としては
最悪とも言える恥ずかしい字列を、いわゆるイケてる若者が声に出し、
何人かはそれでご飯を食べている。賞賛を浴びなが
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