雨季/アングラ少女
あたし 突っ転げたところ鰐の背で
見るまに針山で ぬらぬら切先あかく
ソラつきぬけて ソラより
靴底のおおきな口で
お腹いっぱいおおきな欠伸で
お腹いっぱい食べられそうな
野ぶとい喘ぎで着地する
あたし 届いたおとこの手紙は
見るまに壁で だんだん塞がっていく
ソラかち割って ソラより
頭のかしこい文字で
いつまでも嘘泣きして
いつまでも渇ききらない
つめたい唾ひっかけて破棄する
あたし 駈けぬけた熱帯
見るまに貯水湖で 次の沼までおよぐ
ソラなくなって ソラより
輪郭のうすい雨だれで
馬の禿げあがった毛をにくしみ
乾あがった馬糞を羨望する
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