やわらかいものになりたかった/渡邉建志
 
やわらかいものになりたかったです
でもぼくはおとなのおとこなので
しゃかいにでていくためには
かたくならなくてはなりません

ぼくはこどもでいたかった
それもおんなのこがよかった
マノン・グロピウスみたいに 
十代で死んで
「ある天使の思い出に」なんて曲を書かれてみたかった

だけどぼくはおとこであって
おとなになってしまったいま
どうやって美しく生きていけばいいのか
わからなくなって

やわらかいものになりたかったのです
でもぼくはおとなのおとこなので
やわらかくなりがたい
やわらかいおとなのおとこ(すなわちパパ)としての
いまのぼくのもくひょうは
バーバパパか
ムーミンパパになることです
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