三拍子が変拍子(耐えがたい悪臭のワルツ)/ホロウ・シカエルボク
生温い血を流しながら踊ろう
取れそうな手首を取りあって踊ろう
すでにくすみかけた
白目を見つめあいながら
次々と
奇妙なうめきをこぼす
唇をふるわせながら
おまえの恐怖の中におれがいる
おれの失意の中におまえがいる
それぞれの膿んだ傷口を生爪でほじくりながら
時計の針がこの世の終わりを指す頃までふたりで踊ろう
友達の首がふたつみっつ飛んで舞踏会は始まった
小編成のオーケストラはこぞって梅毒持ちだった
そこだけ存在が抜け落ちたような灰色の痣を顔面に浮かべながら
身の毛もよだつようなプロコフィエフの
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