蛸/亜樹
に慣れた惰性の心。
それは例えば論理の刃でつくられた傲慢で冷め切って他を必要としない孤独な心。
それは例えば金銭の刃でつくられた余裕もなく矜持もなく脂ぎって爛れた心。
それは例えば健全の刃でつくられた日和見で視野の狭く自分にないものを見せびらかす高慢な心。
所詮は蛸の足ですので
食べても食べても生えてきます。
八本の足。
にょきにょきにょきにょき生えてくるそれ。
それしか糧になるものがないので
仕方なく今日も自分の足を食う
滑稽で臆病なぐねぐねとはりのない
どうしようもない蛸なのです。
私は。
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