蝋燭が歪に溶けて/mac
誰でもない私があなたに火をつけて
溶かそうとしているの
融けるほどに愉快に歪んでいく
醜いあなたを
私は少し嘲って口の端を上げる
私らしくなく白い生地に
赤い薔薇のドレスを
今日は身に纏い
赤いペンキで染め上げた
廃車の中に
あなたの揺り籠
見れば見るほど滑稽な
斜めに傾いた大切な人
私を軽視したその目は
まるで玩具の硝子玉
それでもあなたは
そんな自分に気付かずに
「どうしたの?」
と聞くのね
私は炎の揺らぎの向こうから
優しく声をかける
あなたなんてもういらない
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