子どもの視点/桜 葉一
う言うと
ぎゃくだからいいんだよ
すべりだいをぎゃくに進むとね
時間もぎゃくにもどるんだよ
こうやってぎゃくに回っていれば
いつまでも遊んでれるんだよ
と真面目に答える
ふと気がつくと
先程まで砂場にいたはずの男の子がいなくなっていた
ブランコの女の子もいなくなっている
時計を見ると公園に来てから30分も経っている
子どもたちはジャングルジムに集まり
ここは
ある一定の手順で頂上まで登れば
別の世界へワープできるんだ
と言っている
はたして彼らはチテイジンに会えただろうか
空は飛べただろうか
時間は戻せただろうか
そんなことを考えながら
家へ帰ると訝しい顔をした
妻が言う
あなたニヤニヤしてなにかいいことでもあったのですか?
僕は真面目な顔で
今日は異世界への入口を見つけたんだ
と答える
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