拡散する/いねむり猫
 
青い光を照射された 水晶の底
眼下の夜景には 星屑が撒き散らされ

脳細胞にまたたく 神経電流のさざめき
か細くも ひとつひとつの瞬きとノイズに 
担えきれぬ意味がこめられ

静けさと硬さ
闇と霞んだ青
星の瞬きと そして太陽から受け継いだ無限

かすめる記憶
細胞の迷いのない営み

必然の繰り返しと連鎖
ただ それだけのはずだ

集合から回路を開き
結合から代謝が同調する
ひとつの生成が 次の必然の背中を押す

その果ての 偶然生まれた己の意識など
細胞たちが抱く確信の 余韻にすぎない


上も下も星空の この断崖に
己をぶちまけて
そのまま拡散する



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